2013年7月31日水曜日

サロンで悶絶

 先日、髪を切りに行きました。
 冬の間はボーボーに伸び放題にさせておくのですが、夏はナマゲーハのようになってむさ苦しいので、バッサリ、すっきりお願いしてきたわけです。
 とは言ってもあまり短くすると今度は髪が遊んでしまうので、束ねられる長さにしてもらいました。
 さて、このサロンですが、ぶらりと入ったのは良かったのですが、ちょっと銭を持っている人たちが使う美容室だったようです。
 私のようにずんだれた格好の人はいません。皆さん身奇麗にしていらっしゃいます。
 ところが……
「いらっさいませ~」
 と言われた後でしたので、そこで回れ右をするのはためらわれました。
「ご予約の方ですか?」
「いーえ、予約が必要なら……」(帰るよ、もう帰りたいよ)
「あっ、大丈夫ですよ。こちらにお掛け下さい。」(やっぱ獲物は逃がさない魂胆か……)
 カットだけお願いして、とっとと帰ろうと腹を括りました。
 カウンターの後ろの小じゃれた料金表には、カット 6,500円 (シャンプー・ブロー付き)とありました。
 地元の 2 倍近くの価格設定です。
 脱ケミカル続行中のため、シャンプーは不要なのですが、わざわざその説明をするのは面倒なので、三年振りくらいにシャンプーで髪を洗ってもらいました。
 やっぱりプロの洗髪は気持ちいいですね。ついウトウトしてしまいました。
 ひととおり髪をカットした後、担当の男性スタイリストが鏡で私の後頭部を自慢げに見せ始めます。
 どうだ、オマエのちんちくりんな頭も、オレ様の腕にかかればこんなになるんだぜ、とでも言いたげな革パン野郎です。
「他に気になるところはありますか?」
「えっと……」
 いつもつい頼み忘れてうなじがボーボーになっているので、今回はすっきりさせてもらいたくなりました。
「スネ毛がボーボーなので綺麗にしてください。」
「ウヒャーッハッハッハッツ!」
 オレ様革パン野郎のキャラが崩壊した瞬間でした。
 腹を抱えて笑いながら、泣きそうな顔で鏡越しに私の顔を二度見してきました。
「あっ、いけね。襟足だった。エ・リ・ア・シ、ね。」
 いや、頭の中では襟足だったんですよ。スネじゃなくて。
 でも何かポロッと出ちゃいましたね。
 私も釣られて笑ってしまいましたが、オレ様革パン野郎が必死に笑いを堪えている姿が妙に痛々しかったです。